<ソフトバンク7-6日本ハム>◇15日◇ヤフオクドーム
劇的なサヨナラ勝ちで2位ロッテを完全にとらえた。ソフトバンクが延長11回、無死一塁から長谷川勇也外野手(28)の右越え二塁打で今季5度目のサヨナラ勝ち。長谷川は今季2度目のサヨナラ安打だ。最大5点あったビハインドをひっくり返し、4時間48分の激闘を制した。ロッテに1ゲーム差だ。
職人は甘い初球を見逃さなかった。延長11回、無死一塁。長谷川は日本ハム鍵谷の外角直球を振り抜くと、打球は右翼手の頭を越えフェンス手前でバウンドした。一塁から今宮が間一髪生還。二塁付近でバンザイした長谷川のもとに歓喜の輪ができた。一時は5点のリードを許していた。初回には日本ハム大谷の前に無死満塁の好機で1点しか奪えず、苦しい展開を強いられていた。チーム一丸となって苦境を打開。最後の最後に、殊勲打を放った長谷川は「今宮がセーフになった瞬間、すごく気持ちよかった。足が痛いのも忘れました」と表情を崩した。
9回に負傷した右足は痛みが残っていた。1死一塁から内川の左二塁打で一塁から本塁を狙い、相手捕手に右足をブロックされた。ベンチに戻ると顔を上げられないほど苦しんでいた。それでも何の処置もせず、10回の守りに就き、いきなりダイビングキャッチ。フルイニング出場中の首位打者は弱さを見せなかった。
今季20度目の猛打賞。64年南海広瀬叔功(日刊スポーツ評論家)の球団年間最多記録に49年ぶりに並んだ。マルチ安打は57度で10年川崎(現ブルージェイズ)を抜き球団最多となった。
重ねた安打は178。シーズン200本へ、残り17試合であと22安打。スタンドには数字をカウントする「ハセメーター」をはじめ後押しする応援ボードが日に日に増えてきている。
前日14日は6戦ぶりに無安打。試合前のフリー打撃で最初の2球行うバスターの感覚がおかしかったという。試合後、最後まで球場に残り、バスターの練習を繰り返していた。無安打だった原因を「いつも見ないボールを見過ぎて、いつも打ちに行く場所が見えなくなった…分からないでしょ」。独特の感性に狂いが生じていたようだ。ヒーローになったこの日も、当然のように居残り反復練習。お立ち台で「明日(16日)も勝って3連勝して(17日からの)首位の楽天(3連戦)に乗り込みます」。努力の打撃職人は、まだまだなにもあきらめていない。【石橋隆雄】



