<ソフトバンク7-6日本ハム>◇15日◇ヤフオクドーム

 日本ハム大谷翔平投手(19)の4勝目は幻になった。ソフトバンク戦に先発登板。3安打1四球と乱れた1回を1失点でしのぐと、2回以降は持ち直し、5回1/3を9安打3失点で降板した。勝利投手の権利を持ってリリーフ陣に託したが、9回に武田久が追いつかれ、延長11回には鍵谷がサヨナラ打を浴びた。チームは痛い連敗で、クライマックスシリーズ(CS)出場圏内の3位ソフトバンクと6・5ゲーム差に広がった。

 大谷はぼうぜんとスコアボードに目をやった。この日2度目の悲劇。自身の4勝目が消えた9回に続き、サヨナラ負けの瞬間も、しばらく動けなかった。「落とせない気持ちでいました。みんな持っていたと思う」。3位ソフトバンクと戦う意味は、分かっていた。悔しさが、全身を覆った。

 マウンドでは成長の跡を見せた。「全体的に良くなかった」と、1回は連打と四球で無死満塁のピンチ。内川に適時内野安打を許し、1死も奪えないまま先制された。だが「スライダーが良かったので、スライダー中心に」組み立てを変え、2回以降は「0」を並べた。疲れが出た6回に2点目を失って降板し「点数を取ってもらった後、きっちりいければ良かった」と反省したが、リードを保ち、先発の役割は果たした。

 目の当たりにした、日本のエースの姿を追っていた。前回登板した6日の楽天戦。連勝を重ねる田中との投げ合いだった。序盤に2失点したマー君だが、修正し、粘り、尻上がりに調子を上げた。対する自分は、5回に同点に追いつかれ、試合に敗れた。「(田中とは)すべてが違う。全部がすごかった。(レベルが)総合的に高い」。実力差を感じたが、その1つが、修正能力と粘り強さだった。

 投手としての進化の過程で、ジレンマも抱えている。取り組んできた投球フォーム固めの成果は、表れている。黒木投手コーチは「ストレートと同じフォームで、すべてのボールを投げられつつある」と評価する。だが一方で、その“副作用”で、変化球の変化が小さくなったという。それでも、この日の大谷を支えたのはスライダー。「(試合前練習では)そんなによくないと思っていたけど、試合の中でいいなと感じた」。“使えるボール”を見極め、武器にした。

 CS進出が遠のく1敗。「また明日もゲームがあるので切り替えて。勝てれば何でもいい」。悔しさを、バットに込める。【本間翼】