阪神が台風18号の余波に見舞われた。16日は東京から広島への移動日で、当初は午前中に東京都内のホテルを出発する予定だった。しかし、前日までに台風の関東地方直撃を予想し、旅程を変更。広島市内のホテルに用意されるはずだった昼食会場をキャンセルし、多くの選手は都内の宿舎でランチタイムを過ごした。

 多くの首脳陣や選手が都内の宿舎を出発したのは午後4時ごろだった。だが、新幹線のダイヤも大幅に乱れ、徐行運転や満線のため2時間以上遅れた。午後4時に出発した坂が広島の宿舎に到着したのは午後10時。坂は「とにかく眠いです。朝からずっと待機でしたから」と6時間近い移動に苦笑いだった。

 さらに災難だったのは午後6時すぎの新幹線に乗った鳥谷、日高、山口投手コーチら。大幅な遅延に見舞われて、結局、宿舎に到着したのは日付が変わった17日の午前0時だった。マネジャーらの迅速な対応で選手、コーチは何とか移動できたが、広島との直接対決前に思わぬ“天災”だった。<阪神過去の移動トラブル>

 ◆架線事故で松井を逃した?

 翌日のドラフト会議出席のため92年11月20日、東京に向かう中村勝広監督らを乗せた新幹線が、架線事故のためストップ。名古屋駅で約3時間立ち往生となった。東京の宿舎で午後7時30分から行われる予定だった編成会議は中止。これでケチがついたわけではあるまいが、ドラフトでは松井秀喜(星稜)の当たりくじを巨人にさらわれた。

 ◆新大阪で足止め

 93年8月6日、横浜へ向かうチームは午前11時25分、新大阪駅に到着した。ところが静岡県浜松市内で作業車両の衝突事故が起き、東海道新幹線はストップ。手持ちぶさたの選手たちは、駅構内で将棋を指すなど時間つぶし。新幹線に乗り込んだのは、6時間35分後の午後5時50分だった。