<DeNA6-8ヤクルト>◇17日◇横浜

 この日いちばんの大歓声は、やはりヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)に注がれた。7回2死満塁。58号満塁弾を期待する空気が充満したが、豪快なフルスイングで空振り三振。15日にプロ野球新記録の56号と57号を放ってから初の試合はノーアーチに終わった。それでも「力んだわけじゃない。野球なので4打数ノーヒットの日もある」とさばさばと振り返った。

 新記録達成で、フィーバーは一段落した。「聖域越え」から初の試合。打撃練習時、ピーク時には報道関係者ら100人弱がベンチ前に陣取っていたが、この日は半分以下。バレンティンも重圧から解放され、打撃練習後には「ノーパワー」と冗談を飛ばすなど、リラックスしていた。だが、58号はおあずけになった。

 その分、守備で沸かせた。3回2死一、二塁で、二塁走者中村を好返球で本塁で刺した。野球は打つだけじゃない。「チームにとっても大きなプレーだったと思う」と守備で3連勝に貢献した。【浜本卓也】