<中日2-4巨人>◇17日◇ナゴヤドーム

 明日にも優勝だ。巨人が中日を下し、2位阪神が敗れたため、2年連続リーグVへのマジックが3となった。原辰徳監督(55)が助っ人ロペスに犠打を命じるなど、今季の戦いぶりを実践。坂本の2点適時打で先制し、5回には阿部の2ランも飛び出し、逃げ切った。最短であす19日に優勝なら史上3番目に早いセ・リーグ制覇で、原監督が宙に舞う。

 情報が届くのが、わずかに遅かった。中日戦に勝利した時点でのマジックは4。原監督は「マジック?

 3になったら、ちょっと言うよ」と、質問に口をつぐんだ。しかし、その直後に広島から阪神サヨナラ負けの情報が入った。巨人の優勝へのマジックは、監督が意識する3に減った。

 マジックの質問は遠ざけてきた。数字が大きいうちは気にしても仕方がない。1ケタになっても、気持ちの変化を聞かれるたびに「まだありません」と繰り返した。あまり先のことを考えたくない気持ちがあった。目の前の試合に集中し、気がついたら優勝していた、というのが理想だった。

 シーズン中、交流戦を戦っていた頃に、監督がポツリと話したことがあった。「過去形で考えられるヤツって言うのは強いよな。よし、オレは勝った、とか」。過去形というのは決定事項にしか使われない。揺るぎない事実を求め、それを積み重ねることを強さの表れだと感じていた。リーグ優勝についても、過去形で語れる日が、明日にも訪れる。

 その日に向けて、チームは日々、成長してきた。2回無死一、二塁。ロペスは初球を送りバント。見事に成功させて先制点につなげた。今までならば耳打ちするなど、助っ人外国人にバントを命じるには事前の準備が必要だった。だが、シーズンを通して築き上げた信頼関係が、スムーズな作戦の実行を可能にした。

 今季のテーマでもあった「だれかがダメなら他の選手がカバーする」。その態勢もこの日の試合から見て取れた。5回、無死一塁からの松本哲のバント失敗を帳消しにするように阿部が2ランを放った。7回無死一塁ではバント失敗を繰り返していた松本哲の負担を和らげようと、バスターエンドラン。ベンチのサインで技術をカバーした。守護神西村が不安定なら、山口を投入して、勝利を確実にした。

 いつも通りの戦い方ができているのが巨人の強みだ。「1つ1つ、明日のゲームに集中するという点では、いい状態。凪(なぎ)の状態ですね」と原監督は言った。「凪の状態とは」と報道陣から重ねて聞かれ「高揚することなく、高ぶることなく、日ごろの野球ができている」と答えた。このままでいい。悠然とゴールテープを切る。【竹内智信】

 ▼巨人が中日に勝ち、阪神が広島に敗れたため優勝マジックは3。早ければ明日19日にも2年連続のリーグ優勝が決まる。19日ならセ・リーグ優勝決定日としては90年巨人の9月8日、03年阪神の9月15日に次ぐ3番目に早いVとなる。巨人はここまで129試合。シーズン144試合制になった07年以降、セ優勝の最速試合数は09、12年巨人の133試合で、更新する可能性も出てきた。