今季限りで引退する阪神桧山進次郎外野手(44)が若虎たちに最後の「ご神託」だ。27日、2軍練習が終わった鳴尾浜をあいさつに訪れた。

 「あいさつを兼ねてね。引退会見からなかなか予定が合わなくて。今日たまたま合ったから名古屋に行く前に寄った」。平田2軍監督に「あいさつに行きたい」と電話を入れ、7日の引退会見以降、機会を探っていた鳴尾浜に「降臨」した。

 顔を合わせた後輩に、握手で激励した。東洋大出身のドラフト6位緒方に「頑張れよ」と固い握手。緒方は「ひと言でしたけど、一番の激励でした」と笑顔だった。桧山の先代で「代打の神様」と呼ばれた八木2軍打撃コーチには「引退会見してから打ててないっすよ~」と冗談交じりに言い寄る場面もあった。

 今日28日からの中日戦に備え、名古屋に移動する時間が迫っていた。若手選手を集めて話すことはできなかった。「エールを送るとすれば」という質問に、ベテランはこう答えた。

 「練習すればするほど結果はついてくる世界やから貪欲に頑張ってほしい」

 これこそが、22年のプロ生活を続けてきた桧山のモットーだった。試合前に外野ポール間のランニングを重ねる。シートノックで右翼の守備に就き、ボールを追う。「代打の神様」と言われても、打って、守って、走っての練習は忘れない。練習こそ、桧山のプロ野球人生を支えたものだった。

 平田2軍監督が「律義なやつだよ」と言うように、時間ギリギリまで鳴尾浜に滞在。寮内で顔を合わせた選手たちに声を掛け、足早に名古屋へ向かった。

 本拠地最終戦となる10月5日巨人戦(甲子園)の試合終了後に、引退セレモニーが行われる。だがシーズン終了後のCSでも「代打の切り札」としてベンチに控えることが濃厚だ。桧山のタテジマを着た戦いはまだまだ終わらない。【宮崎えり子】