<オリックス8-0日本ハム>◇28日◇京セラドーム大阪
日本ハムが終戦した。オリックスに大敗し、3年ぶりのBクラスが確定した。昨季はパ・リーグを制覇。今季は開幕から投打の歯車が狂い、大失速した。巻き返せないまま7試合を残し、4位以下になることが決定。札幌ドームを本拠地に移してから10年目の節目に、移転後初の最下位も現実的な状況だ。ポストシーズン進出を逃すのは3度目という失意の1年になった。
絶句した。栗山英樹監督(52)は、観念した。静かな笑みをたたえていた。苦闘の歩みを回想。開幕直後から低迷し、Aクラスを逃した。クライマックスシリーズ(CS)進出が完全に消滅。「(可能性)なくなった?」と少しとぼけた後で約30秒間、沈黙した。走馬灯のように苦闘の連続が脳裏によぎっていたのだろう。「テン、テン、テン(………)だよね。最後まであきらめずにはいたけれど」。就任1年目の昨季と対照的な今季。報道陣へ向け、異例の陳情もした。「ファンの皆さんにすみません、申し訳ない、と伝えてください」。
ケジメにふさわしい黒星だった。今季先発陣の太い柱に期待した吉川が、7回途中7失点で降板し、両リーグ最多15敗目。失策も飛び出し、打線も今季最少タイの1安打に終わった。投壊に守乱、貧打と、打開できなかった敗因をこの日も露呈した。失望の1年を凝縮したような節目になった。73敗目。残り7試合を残して、今季のためのタクトをひとまず置いた。「野球の神様に何が足りないのか、言われているようだった」。ネバーギブアップが信条の栗山監督は、導かれた運命と言い聞かせた。
再スタートの1年は、無情にフィニッシュした。パを制した昨季からコーチ陣を刷新。1軍にプロの指導未経験の新任3人で、選手からは少なからず不協和音も出た。1軍のあるコーチは監督と1対1で会談した際、責任と無力さから号泣したという。フロントの期待値の指標である高年俸をもらう複数の選手が、不振を極めた。コストパフォーマンスが、想定以上の低迷にも直結した。糸井と田中の移籍に戦力ダウンという単純な敗因ではなく、根深く、複雑だった。
出直しのオフが到来する。異例の1月に結んだ2年契約、来季が2年目。成績にかかわらず続投が基本路線の栗山監督は、決意表明した。「責任の取り方というのは、いろいろあるから」。自力での立て直し、来季の巻き返しへ向けた力強い宣言だった。既に内定している中田の三塁コンバート挑戦、大谷のオフの育成法は投手主体で行うことなど、水面下で改革の胎動が響く。大胆にチームを動かす下地ができた。長く厳しい秋と冬。再飛躍のための時間にする。【高山通史】



