名実ともに鉄人遊撃手へ-。阪神鳥谷敬内野手(32)が今日8日、シーズン最終戦となるDeNA戦(横浜)で2年連続となる全試合フルイニング出場を目指す。達成すれば虎の遊撃手では72~73年の藤田平以来、2人目の快挙。セ・リーグでも3人だけの名誉ある鉄人記録だ。休まないキャプテンが偉業を通過点とし、勢いそのままCSへ向かう。

 また1つ、虎のキャプテンが偉業を達成しそうだ。今季も143試合を終えて全試合フルイニング出場中。シーズン最終戦となる今日8日DeNA戦もグラウンドに立ち続ければ、2年連続での全試合フルイニング出場となる。

 鳥谷

 それは明日終わってみないと分からないですよ。

 本人はサラリとかわしたが、押しも押されもせぬ大記録だ。常に激しい動きを必要とされる遊撃手にとって、試合に出続けることは並大抵の努力では務まらない。2年連続フルイニング出場となれば、虎の遊撃手では72~73年の藤田平以来、2人目の快挙。セ・リーグまで枠を広げても、過去に3人の遊撃手しか達成できていない記録になる。

 もともと、フルイニング出場にはこだわりがある。毎オフ、必ず新シーズンの目標に掲げる数字のひとつ。尊敬する元祖鉄人、金本知憲氏の教えが根底にある。「その日しか球場に来られない人もいる。そんな人たちのために毎日出続けるんよ」。支えてくれるファンのために-。熱い思いが圧倒的な練習量を呼び、現時点でプロ野球歴代3位の1321試合連続出場を継続している。まさに鉄人だ。

 5日巨人戦で球団新記録のシーズン103四球を記録したばかり。次々と新しい数字を塗り重ねているが、鳥谷が個人記録に興味を示すことはない。常々「記録とかを振り返るのは、すべての試合が終わってから」と話す。今は12日から始まるCSファーストステージに向け、全力でシーズン最終戦を戦うだけだ。

 7日は甲子園で全体練習に参加。フリー打撃などで汗を流し、横浜に移動した。快挙はあくまで通過点。冷静な表情に、思いがにじみ出ていた。【佐井陽介】

 ▼鳥谷が2年連続でフルイニング出場すれば、阪神では新井が09、10年に2年続けて以来。遊撃手に限れば、藤田平による72、73年の2年連続以来。なおセ・リーグ遊撃手の複数年連続フルイニング出場なら藤田のほか、中日宇野勝(84、85年)、横浜石井琢朗(05、06年)に次ぎ4人目。