<DeNA7-5阪神>◇8日◇横浜

 鳥谷敬内野手(32)は虎遊撃手で史上2人目となる2年連続全試合フルイニング出場を達成した。3回2死一塁からは右前打で一、三塁に好機を広げ4番マートンの先制打をお膳立て。5回1死からも中前打を放ちシーズン最終戦をマルチ安打で飾った。

 鳥谷

 フルイニング出場は続けられるに越したことはないんで。

 控えめに振り返ったが、紛れもない偉業だ。常にハードな動きを要求される遊撃手に限れば、阪神では72~73年の藤田平以来、2人目の快挙。セ・リーグまで枠を広げても、過去3人しか達成できていない数字になる。自身4度目の全試合フルイニング出場は、鉄人の証しとなった。

 4点を追う9回には先頭で四球を選び、この回2得点の反撃をけん引。球団新記録を更新した104四球は、60発男ヤクルト・バレンティンの103個をも上回ってリーグ最多となった。打率2割6分2厘、8本塁打と苦しんだ昨季から打率2割8分2厘、10本塁打と再浮上。チーム2位の15盗塁と走力でもナインを鼓舞し、土のグラウンドで4失策の堅守は2年ぶりのゴールデングラブ賞獲得を猛プッシュしそうだ。

 鳥谷

 優勝を目指してやってきたので、1年間を振り返れば悔しい気持ちがある。(CSに向けて)この流れで準備していきたい。

 プロ野球歴代3位の1322試合連続出場を継続。前年度5位だったチームは2位フィニッシュしたが、満足感は一切ない。12日から始まるCSファーストステージへ。雪辱の思いを胸に秘め、黙々と準備を整える。【佐井陽介】

 ▼鳥谷はDeNA戦で1四球を選び今季セ・リーグトップの104四球。シーズン104四球は球団新記録で100四球を超えたのは54年藤村富美男(100)、74年田淵幸一と84年掛布雅之(102)に続き4人目。日本記録は74年王貞治(巨人)の158四球。

 ▼鳥谷が今季最終DeNA戦でフルイニング出場し、遊撃手として2年連続、06、08年に続き4度目の全イニング出場を達成。チームでは50年の2リーグ分立以降では72、73年の藤田平以来、2人目。遊撃手の2年連続フルイニング出場は藤田平と宇野勝(84~85年、中日)の2人だけ。05、06年に石井琢朗(横浜)が全試合遊撃で先発してフルイニング出場も4月22日、23日ヤクルト戦(神宮)の2試合で試合途中で三塁の守備についている。