大型の台風26号は、球界にも爪痕を残した。16日、大雨と強風の影響で、日本ハムの2軍本拠地、千葉・鎌ケ谷が“水没”した。外野では池のように水面が波打ち、スタンドの下にある事務所や選手ロッカー室は、床上まで水につかった。球団関係者は「これは、ひどい。朝(球場の)ドアを開けると、水がどっとあふれ出してきた」と驚いた。予定されていた秋季練習は、室内練習場に場所を移して行われた。

 周辺に坂が多く、盆地のような地形になっているため、雨水は球場へ流れた。台風が通過したこの日の早朝には、球場施設前の道路も冠水で通行止めとなり、合宿所は一時「陸の孤島」となったほど。「球場の排水が追いつかなかった」(球場関係者)ため、水は選手ロッカー室へも流れ込んだ。水害を予期し、選手のスパイクやバットは大半が寮の中に引き上げられていたが、残されていた一部の用具はびしょびしょになった。

 コンバートされ、三塁に挑戦中の中田も、影響を受けた1人。「やっぱり土のグラウンドの方が、イレギュラーだってあるだろうし、その反応だとか練習にはなる」。人工芝が敷き詰められた室内でのノックでは、どうしても練習の質は落ちてしまう。「でもパ・リーグの球場は人工芝ばっかりか!」と、持ち前の明るさで前向きにとらえたが、水はけによっては、今日17日以降の練習にも影響が出る恐れがある。宮崎でのフェニックスリーグ視察を終え、この日から1軍に合流した栗山監督も「明日は大丈夫だよね?」。来季の巻き返しへ向け練習に励む日本ハムが、思わぬ敵に遭遇した。【本間翼】