ソフトバンクがWBC3大会連続メキシコ代表でメジャー通算104本塁打のホルへ・カントゥ内野手(31=メキシカンリーグ)の獲得に動いていることが28日、分かった。主に二、三塁を守り、今季はメキシカンリーグで31本塁打を放った。獲得調査を進める李大浩内野手(31)とともに右打ちのスラッガーとして慎重に交渉を進める。

 V奪回をかけた水面下の動きがまた判明した。米球界関係者によれば、ソフトバンクが元メキシコ代表のカントゥにアプローチをかけた。右のスラッガーだ。

 04年にデビルレイズでデビューし、05年は28本塁打、117打点。チームメートの岩村と仲良しでも知られた。08年に移ったマーリンズで自己最多の29本塁打。10年には開幕から10試合連続打点のメジャー記録も樹立した。メジャー8年間で通算847試合出場、打率2割7分1厘、104本塁打、476打点を数える。実力は折り紙付きだ。主に二、三塁ながら、内野の全ポジションを守れる。

 日本とは浅からぬ縁がある。06年WBCの2次リーグ。メキシコが米国を下す番狂わせを演じたおかげで、日本の準決勝進出が決まった。敗退覚悟で食事中だった王監督は「神風が吹いた」と歓喜し、ここから世界一になった。その試合で適時打を放ったのがカントゥで、本人も「オレたちが第1回大会での日本代表の優勝をアシストしたんだ」と口癖にする。時を経て、今回は王球団会長のいるソフトバンクからの獲得打診と運命的なつながりもある。

 ここ2年はマイナー暮らしで、今季はメキシカンリーグ83試合で31本塁打、71打点。カントゥは来季のメジャー復帰を希望しているが、複数球団から誘いのある日本球界への挑戦も検討しているという。年内の進路決定を目指しており、球団は時間をかけて交渉を進めるとみられる。ペーニャの退団に伴い、打点の稼げる右の助っ人砲は補強ポイント。オリックスとの2年契約が満了する李大浩とともに、今後の動きが注目される。

 ◆ホルへ・カントゥ

 1982年1月30日、米テキサス州生まれ。04年にデビルレイズでデビューし、レッズ-マーリンズ-レンジャーズ-パドレス。11年途中からロッキーズ傘下、昨年はエンゼルス傘下でプレー。幼少期をメキシコで過ごし国際大会はメキシコ代表として出場。WBCは3大会連続出場。最高年俸は10年の600万ドル(約6億円)ながら11年は85万ドル(約8500万円)だった。190センチ、91キロ。右投げ右打ち。