<コナミ日本シリーズ2013:楽天3-0巨人>◇第7戦◇3日◇Kスタ宮城

 巨人杉内俊哉投手(33)が、再び悪夢に襲われた。第3戦から中4日のマウンド。前回登板は6安打4失点で2回もたずにKOを食らった。雪辱のマウンドも1回2/3を2安打2失点。「調子は悪くない。頑張るだけ。なんとかしたい」と、言い聞かせるように話して臨んだが、楽天打線に返り討ちを食らった。

 苦手とする立ち上がりだった。簡単に2死としたが、3番銀次への直球が抜けて死球を与えた。不穏な空気が漂う。ジョーンズに甘く入ったスライダーを狙われ、2死二、三塁とピンチが拡大。マギーの強い遊ゴロを坂本がはじき先制を許した。2回にも岡島の適時打で追加点を許し、降板を告げられた。

 「1年間、最後まで戦う」ことが、今季最大の使命だった。昨季の終盤戦は左肩痛で戦線離脱。CS、日本シリーズでも1戦も投げることなく、シーズンを終えた。「去年はテレビで見て悔しかった。今年はという思いは強い」と、人一倍の意気込みがあった。くしくも、今季最後の第7戦の先発を託された。課せられた役割を果たすことは出来なかった。試合後のセレモニーでは、こらえきれずに目には光るものがあった。屈辱の2連敗。杉内は無言のままバスに乗り込んだ。【為田聡史】