日本ハム栗山英樹監督(52)が、若手に「点数稼ぎ」禁止の方針を打ち出した。沖縄・国頭での秋季キャンプは3日、選手とともに完全オフで静養に努めた。若手主体のメンバーだが、キャンプ期間中は首脳陣が手引きしての夜間練習を一切、排除。休日に練習するか否かなど、選手の自主判断に一任している。「オレらに練習してますよ、とか見せるのは必要ない」。努力する姿勢は、能力評価の対象にならないと断言した。

 球界用語でいう「見せ練」をタブーに設定した。「見せ練」とは栗山監督ら首脳陣にアピールするために行う、いわゆる「見せるための練習」だ。一般社会でも部下が上司に対し、功績などを必要以上に訴えて優遇してもらおうとするケースは多々ある。栗山監督は、選手も同様の行動をしても無意味と諭した。「質のいい練習をすることが一番。練習をしてもいいし、休んでもいい。休みはうまく使ってくれればいい」。

 昨季は就任1年目でリーグ優勝の快挙を遂げたが、今季は最下位でフィニッシュ。栗山監督自身も開幕から低迷して「野球以外、何も考えることができなかった」との精神状態のままキャンプに突入した。「やっといろいろと目が向くようになった」と情緒不安定の日々から解放。チーム、選手をレベルアップさせるための本質と向き合えるようになってきた。選手にも邪念を捨て、純粋な技術向上に集中すべきと説いた。

 今日4日、第2クールがスタートする。「いろいろなことを求める。それに気付かない選手はダメ」。来季の新戦力候補を厳格な視点で吟味しながら、実りの秋にする。【高山通史】