伊藤隼には「怪童流」指導だ。前日2日の夜間練習で個別指導した。阪神伊藤隼太外野手(24)は畳のすれる音を響かせながらマンツーマンでスポンジボールを打ち込んだ。

 これは掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=58)が現役時代の打撃コーチだった中西太氏(日刊スポーツ評論家)の指導法。打撃練習では弓を放つポーズなど身ぶり手ぶりで打撃道を伝授された。隼太は「柔らかく使うことと体を平行に回すこと。回すための体の使い方ですね。意見交換もしました」と笑顔だった。

 期待は大きい。押しつけではなく、伸び悩む隼太に寄り添って打撃開眼を目指す。掛布DCは「こだわりを聞いてあげながら次のステップにつながる準備をしてきたい。20本打つくらいの気持ちで取り組ませたい。リーダーになっていかないといけない」と期待の言葉を続けた。濃密な時間を共有しながら、二人三脚で大打者への階段を上がっていく。