力んだ声がブルペンに響き渡った。4日、最高気温23度を記録した温暖な安芸で、阪神岩本輝投手(21)が209球を投げ込んだ。170球目からは和田豊監督(51)が打席に立ち、直々にチェック。時折監督の内角をえぐりながら、球数が増えてもキレのある直球を次々にコーナーに決めた。タフな右腕には楽天田中級の期待がかけられた。

 ミットの音が違った。捕手を務めた山田バッテリーコーチからは「ホップした。怖かった」と声が飛んだ。「ウッ!」と声を出して投げ続けた。「疲れてくると腕だけでは投げられなくなる。体全体を使って投げるのがいいフォーム。感覚で覚えていきながら、しっかり球数を投げたい」と熱投の意図を説明した。

 期待は日本一のエースだ。中西投手コーチは日本シリーズでの楽天田中の投球を振り返りながら「160球投げて、次の日も1回投げられる。そのくらいレベルの高い投手を目指してやってほしい。(球数は)強制はしてないけど、高い意識を感じたな」と目を細めた。

 1年の悔しさを力に変える。先発6番手を期待されながら、オープン戦で打ち込まれ2軍落ち。1軍で1試合の登板にとどまる間に、松田や藤浪ら後輩が躍動した。「自分より下が出てて、負けられないというのもあります。今年はもっとやんないとな、という気持ちです」と闘志メラメラだった。【池本泰尚】