楽天が、国内フリーエージェント(FA)権行使を表明した西武片岡治大内野手(30)の獲得に参戦することが7日、分かった。二遊間の選手層が薄く、球団は内野手を補強ポイントに挙げていた。過去に4年連続盗塁王を獲得した実績と、安定した守備力を高く評価し、複数年契約の好条件を提示するとみられる。今季、球団初のリーグ優勝、日本一となったが、連覇に向けて大型補強に乗り出す。

 星野楽天が、連覇へ大型補強に乗り出す。その第1弾として、国内FA権の行使を表明した西武片岡の獲得に狙いを定めた。今季、創設9年目で悲願のリーグ優勝を達成。日本一にもなったが、球団幹部は「ウチは連覇に向けて必死です」と話し、さらなる戦力強化に乗り出すことを示唆した。

 内野手が補強ポイントの1つだった。今季は松井、藤田で二遊間を固めた。ただ、ベテラン松井は来年39歳という年齢的な面、藤田は左ふくらはぎや太ももに不安を抱えている。「ポスト松井」候補は4年目の西田や2年目の三好だが、1軍では経験不足。それを補えるのが、片岡だ。実績も十分で、二塁、遊撃、三塁を守ることができる安定した守備力もある。

 今季は左ひざ裏痛で72試合の出場だったが、シーズン終盤に活躍し、打率2割9分の結果を残した。CS進出の崖っぷちから8連勝し、チームを逆転2位に押し上げた立役者でもある。この日、星野監督は、片岡の獲得に乗り出すことについて「球団からは何も聞いていない」と前置きした上で、「もし片岡が来れば、松井、藤田を休ませられるな」と話した。

 1年契約で年俸1億円程度の条件提示の西武に対し、楽天は複数年契約を提示する方針で、金銭面の条件でも西武を上回るもようだ。これまで補強費が足りず、FA選手獲得には消極的だったが、昨年、ヤンキースからジョーンズ、マギーの大物2人を獲得。球団幹部は「彼(片岡)に限らず、FA(を行使した)選手には、いく準備はします」。連覇へ本気の姿勢を示した。

 ◆片岡治大(かたおか・やすゆき)1983年(昭58)2月17日、千葉県千葉市生まれ。宇都宮学園(現文星芸大付)3年夏に甲子園出場(2回戦敗退)。東京ガスを経て04年ドラフト3巡目で西武入団。最多安打(08年)盗塁王4度(07~10年)ベストナイン(08年)。09年WBC日本代表。176センチ、82キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸9500万円。