阪神のマット・マートン外野手(32)が残留する方向であることが8日、分かった。球団首脳は「最終的に合意するまで油断できないが、もう大丈夫だと思う」と、早ければ週明けにも契約を結ぶ見通しを明かした。今季で2年契約が終了。10月22日に帰国する際に「来年どこに行こうと、日本で4年間過ごしたことは変わらない」などとメジャー復帰への思いを隠さず、退団の危機だった。

 マートンは来日4年目の今季も活躍。開幕こそ6番だったが、8試合目の4月7日広島戦からシーズンの大半で4番を任された。リーグ4位の打率3割1分4厘、来日最多の19本塁打、そして85打点は、いずれもチームトップの“3冠王”。178安打で3度目となる最多安打のタイトルを獲得。左右に打ち分ける技術は健在で、昨季の低調から見事に復活した。

 メジャーからのオファーを待っていたマートンに対し、球団は今月上旬にリミットを設定していた。これまで納得いく条件が届いていない模様で、来季も虎の一員としてプレーすることになりそうだ。精神的なムラがあることなどを考慮して1年契約になる見込みだが、推定年俸2億4000万円からのアップは確実。同じく残留濃厚なメッセンジャーの合意も近づいており、来季も投打の柱を失わずに済みそうだ。