お宝ザックザク!?

 中日落合博満GM(59)が宝の山を前に舌なめずり?

 した。10日、静岡・草薙球場で12球団合同トライアウトを視察。5時間にも及ぶシート打撃を見届け同GMは、参加した選手を「宝の山」と表現した。コストパフォーマンスに優れた人材を、65選手の中から発掘する。

 宝物を見つけた。ベンチコートにマスク姿といういでたちでシート打撃を見続けた落合GMはニヤリと笑った。「この宝の山からどうやって探し出すか。ここにいちゃいけないメンバーがいたな。おもしろい存在は、いっぱいいる」。約5時間。目を凝らして見つめる先に、面白い存在が確かにいたようだ。

 もっとも信頼するのは自身の目だ。監督時代の08年にもトライアウトを視察するなど、これまでも積極的にお宝発掘に参加してきた。08年には日本ハムを戦力外になった小山(現楽天)を獲得。また04年川相、09年河原ら自由契約となった選手を獲得し、再生させた過去がある。自分の目で宝物を探し出す。それが名古屋から朝7時台の新幹線に乗り込み、静岡まで足を運んだ理由だ。

 今オフの契約更改では球団の交渉役として年俸をバッサ、バッサと削減した。これまで4日間37人の契約更改でトータル5億円近くを削減。この日もシビアな目を選手に向けた。「誰が良くて、誰が悪いのか。誰が使えて誰が使えないのか。足りないところをどうやって埋めるのか」。落合コンピューターは最後までフル回転だった。

 簡単に飛びつくことはしない。「チームにマッチする選手は?」の問いに、「いたよ」と断言した。ただ「よそがほしいっていう選手がいるだろ?

 最後まで待っておくよ。残ったときに初めてどう動くか」と、他球団の動向を見極める。限られた予算内で最高のパフォーマンスを発揮する。まさにGMとしての腕の見せどころで、22日にナゴヤ球場で行われる第2回トライアウトも視察予定。最終的な判断はそれからになる。【桝井聡】