そのひと言にすべてが集約されていた。福留孝介外野手(36)は球団事務所で交渉に臨み、3年契約の2年目となる来季契約を更改した。年俸は1億5000万円のまま。約45分間の交渉を終えると、今季をこう表現した。

 「つまらないシーズンでしたね。ケガをしてほぼ何もしないシーズンでしたし、チームにも大変迷惑をかけた」

 米大リーグから日本へ6年ぶりに復帰し、阪神の救世主として期待された。4月はサヨナラ満塁弾を含む4本塁打など勝負強さを発揮。だが5月に離脱すると6月に左膝半月板を手術した。その後も左膝の影響からふくらはぎの故障が相次いで結局63試合の出場にとどまった。06年にはリーグMVPに輝いた男にとって、打率1割9分8厘、6本塁打、31打点は屈辱以外の何物でもなかった。

 「数字は何も考えていない。体を100%に近い状態に持っていくことしか考えていない」

 すでに来春キャンプへ向けて動きだしている。ほぼ毎日、甲子園のクラブハウスでトレーニングしているという。野球人生で最も「つまらない」シーズンを過ごした福留の巻き返しは始まっている。