覚悟は、決まった。日本ハムから国内フリーエージェント(FA)宣言した鶴岡慎也捕手(32)が今日30日、ソフトバンク入りを表明する。29日、自主トレのため札幌市内の室内練習場に姿を見せ「明日(30日)すべてお話しします」と話した。明言は避けたが、この日までに、生まれ故郷・九州に拠点を置くソフトバンク入団の意思を固めた。

 ソフトバンクとは今月19日に交渉し、4年総額4億円以上の好条件を提示されていた。さらに、単身赴任時の住環境のサポートなどの支援も約束してもらった。「長年ライバル球団の捕手として見てくださり、高く評価していただきうれしかった」。高評価に顔はほころんだが、それでも態度は保留した。

 プロ野球選手としてのプライドと、家族の生活。自問自答を繰り返し、深く悩んだ。24日には日本ハムの球団納会、翌25日には選手会納会に出席した。特に選手会納会では、選手会長としてゴルフ場やホテルとの調整に奔走。個人的な思いは封印し、仲間たちのために献身した。球団行事が一段落したことで、この日までに結論を出した。

 普段通りに自主トレを行った鶴岡だが、顔はいつになく神妙だった。人情に厚く、義理堅い性格。関係者によれば、ソフトバンク入りを表明後は、日本ハムの球団施設は使わず、道内のアマチュア野球施設を使用するつもりだという。お世話になった日本ハム施設に、人知れず、別れを告げていた。

 今日、自らの口で、支えてくれたファンへの感謝と、新天地への意気込みを言葉にする。11年間の日本ハム生活に、けじめをつける。