新守護神を強力バックアップだ。6日、契約更改交渉に臨んだ阪神藤井彰人捕手(37)が、呉昇桓(オ・スンファン)投手(31=韓国サムスン)の加入に向け、韓国語の猛勉強?

 を予告した。2500万円増の来季年俸6700万円で更改したベテラン捕手は、新ストッパーとの意思疎通にも心配なしだ。

 女房役は新助っ人とのコンビに胸を躍らせていた。契約更改を終えた藤井彰が、呉昇桓について言った。「球が速いピッチャーみたいなので、早く受けてみたい」。ただ、受けるだけでは終わらない。呉昇桓のハートをわしづかみにし、バックアップする“秘策”がある。「やっているのは同じ野球だけど(韓国と)全然違うだろうし、手助けができれば。来年は韓国語、覚えようか」。猛勉強予告?

 が飛び出した。

 今季はメッセンジャー、スタンリッジの両助っ人を巧みにリードしたが「通訳を通して自分の考えていることを言っているだけ。マウンドに行っても英語はほぼ使わない」と、通訳を介してコミュニケーションをとってきた。だが、呉昇桓は球団初の韓国人助っ人。しかも、1球のミスが勝敗に直結するストッパーを任される。

 藤井彰

 抑えをするだろうし、試合を締めくくる中で難しいところなので、どういう球を投げたい、どういう風にアウトを取りたいといった向こうの意思もあるし、こっちの考えもある。

 話しかけるのは、もちろん、試合の中だけではない。韓国最多の277セーブを挙げて実績十分とはいえ、新天地に飛び込む心境を、恋女房が気遣うのも当然だろう。韓国語で積極的に話しかければ、呉昇桓にかかる重圧も軽減されるはず。さらに、藤井彰は「韓国料理屋があるか調べておく」。私生活から意思疎通を図る考えだ。

 今季はチーム捕手最多の112試合に出場。来季38歳を迎えるベテランは「(来季は)当然全試合に出たい。年齢はあがるけれど、まだまだ負けない」と力を込めた。正捕手の座を若手に渡す気はない。経験と信頼を、そして韓国語を武器に、呉昇桓を引っ張る。【松本航】