ソフトバンク長谷川勇也外野手(28)が「ハセメーター」の再登板を願った。11日、福岡・飯塚市内の病院に子供たちを慰問。1年前に首位打者と最多安打を約束した場所で、今季残り2本で逃した年間200安打を誓った。今年も発奮材料となった、スタンドでファンが安打数を数えるメーターとの“共闘”を楽しみにした。

 約束の打撃部門「2冠」を引っ提げて病院に戻ってきた。

 「小さな子も分かってくれていて、反応も違った。うれしく思います」

 長谷川は子どもたちに負けない笑顔で貴重な時間を共有した。1年前の訪問でエネルギーをもらい、首位打者と最多安打の誓いを打ち立てた。今回も、同じだった。あと1歩で逃した偉大な記録への挑戦を約束した。

 「今年は200安打に近づき、あと2本足りなかったけれど、できると思う。クリアすれば高い打率が残るし、フルに出続けないとできない数字。目標にするには高い壁ですが、無理ではないと分かった」

 残り4試合で2安打とスパート不発で、快挙を逃した。ただ、手応えはつかみ、そして喜びも知った。

 「シーズン後半の試合はヒットを打つことでお客さんが喜んでくれた。ヒットを通じて喜びを共感できるのはすごく幸せでした」

 8月下旬からは、ヤンキース・イチローの「イチメーター」になぞらえた安打数を数える「ハセメーター」が球場スタンドに登場。安打量産の励みだった。「メーターが現実的にできるよう、練習します」。来季の再登場はもちろん、そのタイミングを「現実的なところに近づいたら」と具体的にお願いした。今年は153本から登場しており、目安は150安打から始動となりそうだ。

 今年は開幕前の頭部陥没骨折や右手首の負傷を抱えながら初の全試合フルイニング出場。「1年間戦える体と、持続する技術と感覚を得るのは自分でしかできない」。2冠の成功体験から年内は体づくりを優先し、1月から本格的に打撃を始める。年末年始は故郷の山形・鶴岡市で「実家トレ」。バットマンの頭の中は、メーターを確実に刻む計画書ができている。【押谷謙爾】