制限を超える大幅ダウンを喫した中日の山内壮馬(28)と岩田慎司(26)の両右腕が「大リーグボール」習得に着手したことが11日、分かった。古巣を訪れたオリオールズのチェン・ウェイン投手(28)を通じ、同僚で今季16勝の右腕クリス・ティルマン(25)が操るカットボールとチェンジアップを伝授された。

 信頼と働き場所、そして年俸を取り戻そうとオフもナゴヤ球場で意欲的に自主トレを続ける。救いの手は意外なところから差し伸べられた。9日に、2年ぶりにナゴヤ球場にやって来たオリオールズのチェンから新しい変化球の握りを伝授されたという。

 岩田は「チェンジアップとカットボール。今まで練習したことはあるんですが、今までのものと全然握り方が違うんです」と明かしながら詳細は「言えないッス」と口をつぐんだ。山内も「同じカットなんですが全然違います」。キャッチボールで握りを確認している段階から、手応えを感じているようだ。

 台湾生まれ中日育ちのメジャー左腕が本場米国から持ち帰ってきた握りは、メジャー実績十分。いわば「大リーグボール1号、2号」が新たな武器として配備される見込みだ。契約更改交渉では山内が52%、岩田が46%減の大幅ダウンを食らった。秘策を温め、ダウン分を取り戻す。【八反誠】

 ◆クリス・ティルマン

 1988年4月15日、米カリフォルニア州生まれ。06年にマリナーズと契約。08年にオリオールズ移籍し09年にメジャー初登板。13年にはオールスターに選出された。今季は33試合で16勝7敗、防御率3・71。196センチ、95キロ。右投げ右打ち。