グリーンタイガースで甲子園さん、おめでとう!

 阪神が来季のサードユニホームとして緑色を用意したことが24日、分かった。甲子園球場が開場から90周年を迎えることで、イメージされた色を使用。伝統のタテジマ、敵地でのブラックに加え、斬新な“メモリアルカラー”で勝負することになった。2年連続で負け越している本拠地では、緑で白星を手に入れまっせ!

 緑の猛虎戦士が芝生の上で躍動する。阪神が「グリーンタイガース」で甲子園を祝うことになった。既にデザインは固まっており、球団関係者は「メジャーリーグのアスレチックスのような感じになる」と明かした。黄色と黒の印象が強い中、伝統のタテジマに加え、インパクト大の戦闘服で戦うことになった。

 理由ある「緑」だ。世界に誇る本拠地、甲子園球場は1924年(大13)8月1日に開場されており、来年で90歳になる。球団は聖地の節目を、ユニホームで表現しようと検討した。甲子園のイメージ…丁寧に整備が行き届き、常に青々としている外野の芝生が真っ先に浮かんだ。球場を覆っていた蔦やフェンス、スタンドも同じ色。自慢のホームグラウンドへ敬意を表した形になった。

 今季は楽天とヤクルトが期間限定で緑色のユニホームを使用した。海外ではアスレチックス、関西では南海(現ソフトバンク)のイメージも強く残る。濃淡によりガラリと印象が変わる色だが、猛虎バーションは関係者が「青信号のようなエメラルド」と言う明るい緑になりそうだ。

 阪神は球団創設からのタテジマが代名詞になった。これまでビジターでは、グレーやブルーを使ったこともある。10年には期間限定で上下黒だった戦後の「ブラックタイガース」を復刻して人気だった。今年は「ウル虎の夏」として15試合、選手がデザインした第3ユニホームを披露した。球団幹部も「巨人のオレンジユニホームも話題になった。甲子園の記念年ということをうまく伝えられれば」と意気込む。

 来年の8月1日はDeNA戦が行われる。緑の虎は“誕生日”だけでなく随時、披露していく予定だ。球団幹部が「胸の文字などもレトロなつくり。なかなかかっこいいですよ」という自信作。甲子園では今季28勝29敗3分けと黒星が先行した。大歓声を受けながら、2年連続で負け越し中。メモリアルイヤーに勝たなきゃ、聖地も怒る。エメラルドグリーンに身を包み、甲子園の「卒寿」を胴上げで祝いたいところだ。

 ▼甲子園球場は1924年(大13)3月11日に起工式、わずか5カ月弱の工期で同8月1日に開場、来年90周年を迎える。設計したのは阪神電鉄の野田誠三で、当時の同電鉄役員から「23年(大12)に出来たヤンキースタジアムが世界一なら、東洋一の野球場をつくれ」と指示され、野田は米国雑誌などから球場を分析、設計したといわれる。当時の交通、通信事情から、図面の入手は難しかったと思われ、ジャイアンツ、メッツが本拠地としたポロ・グラウンズを参考にしたという説もある。完成当時の広さは本塁から両翼までが91メートル、中堅までが120メートル。<阪神過去の主なユニホーム>

 ◆05年

 球団創立70周年を迎え史上初めて「両目を見開いた虎」がユニホームの左袖部分に貼り付けられた。

 ◆06年交流戦

 79、83年のビジター用だったライトブルーのユニホームをホーム用に復刻。05年と同じものはビジター用として使った。

 ◆07年交流戦

 有名デザイナー、コシノヒロコさんがデザイン。ホームは白地に黒のタテジマ、ビジターは黒地に黄色で斬新さが話題に。

 ◆09年交流戦

 真弓監督が1番打者として日本一に貢献した85年当時を忠実に再現。ホーム、ビジターとも当時と同タイプだった。

 ◆10年

 8月にセ・リーグ6球団で「2010年オールド・ユニホーム・シリーズ」を開催」。48、49年にビジターで使用した「黒いユニホーム」を身にまといダイナマイト打線と言われた当時の打線を再現。着用した6試合で1試合平均10得点をたたき出した。