マー君が投げ納めに選んだのは、やっぱり仙台だった!

 新ポスティングシステムでの大リーグ移籍を目指す楽天田中将大投手(25)が28日、仙台市内のKスタ宮城の室内練習場で2013年の練習納めを行い、ウエートトレーニングやキャッチボールで軽めの練習に汗を流した。前日は都内のホテルで行われた授賞式に出席。多忙なスケジュールの合間を縫って、本拠地で絶頂の1年を締めた。

 午前11時45分。年の瀬で閑散とする室内練習場に田中が突然、姿を現した。ショッキングピンクのウエアを着て、トレーナーと約15分間、体をほぐすようにキャッチボールを行った。前日に球団の仕事納めがあり、室内練習場もこの日が最終使用日。そのため練習する選手はほとんどおらず、球場職員も「まさかマー君が来るとは…」と予想外の練習だった。

 激動の1年を仙台で締めくくった。公式戦無敗の24連勝を飾り、球団初の日本一にもなった。その後、新ポスティングシステムの締結が難航し、17日にようやくメジャー挑戦を正式表明。Kスタでは25日に球団が移籍を容認して以来の練習だった。年末はこれで練習終了かと問われると、「そうですね。とりあえず今日で(終わり)」と練習納めを明言。仙台市内は朝から雪が積もるほどの寒さだったが、晴れ晴れとした表情で体を動かした。

 また代理人がクロース氏に正式決定し、移籍交渉は日本時間26日午後10時から解禁された。メジャー球団からの接触について「昨日も言いましたけれど、そのことについてはお話しすることはありません」と明言を避けた。それでもキャッチボールで使用した球は大リーグ球かと問われると、「さあ、どうでしょう?」と不敵な笑みを浮かべた。実際は練習場にあった日本の公式球だったが、来年は1月4日から自主トレを開始。メジャー挑戦に備えて、大リーグ球にも対応していく。

 練習の最後には室内ブルペンで相手を立たせたまま、25球を投げた。入団から7年。慣れ親しんだ杜(もり)の都で練習納めした右腕が、来年は世界へはばたく。【島根純】