巨人内海哲也投手(31)の14年シーズンが、恒例の元日から始まった。いつもと変わらぬ風景だが、明らかな変化があった。故郷の京都府内ではなく、神奈川県内のグラウンドで行われ、関係者以外はシャットアウト。個人トレーナーの保田氏とたった2人、汗を流した。昨年12月12日に第4子の長女琴菜ちゃんが誕生。4児のパパが静まり返ったその場所で立てた「新年の誓い」に潜入した。

 内海

 いつも思うことですけど、子供たちにとって、かっこいいパパでありたいなと。昨年、琴菜が生まれて、思ったことがあるんです。この子が小学校に入るまで、自分もバリバリでおらなって。数字で言えば2ケタですか。あと7年、続けていきたいです。

 その腕の中には、パパをかわいらしい目で見つめる娘の姿があった。昨季13勝(6敗)で通算勝利を108に積み上げた。10年シーズンから4年連続2ケタ勝利は、巨人では01~04年の上原(現レッドソックス)以来だった。今季からも7年連続で2桁を続ければ、巨人では66~78年の堀内(13年連続)以来となる11年連続。目標に掲げる200勝にもグッと近づく。「お父さん、頑張るよ」と話す表情はいつも以上に穏やかだった。

 元日トレーニングのメニューは、ここ数年の中でも屈指のハードさだったという。午前8時30分にウオーミングアップが開始され、約3時間、100メートルの往復ダッシュ、ショートダッシュ、体幹、キャッチボールで汗を流した。「ほんまに元日か?

 って錯覚しそうやったけど、集中してできたし、いい1年の始まりだった」。その表情は、父親から勝負師に変わった。【久保賢吾】