“復肩”をアピールする大遠投だ。右肩関節唇損傷を克服し、先発ローテ入りを目指す日本ハム斎藤佑樹投手(25)が17日、2軍施設の千葉・鎌ケ谷で自主トレを行い、故障後最長となる100メートルを越える遠投をこなした。投球フォームの改造に着手した成果もあって、ボールの伸びは、けが以前よりも手応えを感じるほどに進化。本人も驚くほど、成長した姿があった。

 きれいなフォームで放物線を描き、グングン伸びた。高い!

 落ちない!

 100メートルの“K点”を軽々と越えて“ランディング”。沙羅ちゃん?

 いやいや、佑ちゃんの話。斎藤が右肩故障後初めてとなる、100メートルの遠投をこなした。「肩を壊してからは初めてでしたけど、いい感じで投げられました」。少しはにかみながら“照れ”マークもきっちりと決めた。

 復活ではなく、進化だった。ゆったりとした投球フォームから放たれたボールは、キャッチボール相手のトレーナーのグラブをバシッと鳴らした。「リリースの瞬間だけを意識して、ピュッと力を入れただけなのに、いい球がいった。自分でも驚いています。(肩を)壊す前よりもいい」。中垣トレーニングコーチらと、右肩に負担がかからない新投球フォームを模索してきたが、その成果がはっきりと表れていた。

 キャンプ序盤の2月8日には、ローテ争いをする2年目大谷と、紅白戦の先発で投げ合うことが決まっている。「(キャンプでは)とにかくバッターに投げたい」。寒い1月に遠投をこなせることが、つらいリハビリ生活から脱した何よりの証拠。あとは、打者との対戦で勝負勘を取り戻すことが最優先となる。

 シーズンが楽しみになる、この日の大ジャンプ…ならぬ大遠投。昨季未勝利に終わった2年前の開幕投手が先発ローテに名を連ねれば、ペナントレースの金メダルもグッと近くなる。【本間翼】