阪神和田豊監督(51)が17日、神戸市内で行われた「神戸震災復興フリーライブ」に参加。壇上で「神戸で優勝パレードができるような1年にしたい」と日本一を誓った。95年に自らも被災した経験がある。昨年は楽天が日本一を達成し、東北のファンに夢を与えた。指揮官として、再び関西に活気を与える決意だ。

 1月17日を迎えると、さまざまな思いが去来する。それは和田監督も例外ではなかった。95年の阪神淡路大震災は自らも経験。復興イベントに参加し、壇上であいさつ。あらためて決意を表明した。

 「我々が勇気を与えられるのは、野球しかありません。秋に神戸で優勝パレードができるような1年にしたい。一緒にがんばっていきましょう」

 昨年は星野楽天が日本一の夢をかなえ、震災で大きなダメージを受けた東北を勇気づけた。野球の持つ力を再認識する1年でもあったが、和田監督には苦い過去がよみがえった。

 「19年前…、オリックスが『がんばろう神戸』で優勝して、我々は最下位。悔しい思いと申し訳ない思いをあらためて思い出した」

 現役で、阪神の中心選手だった。滋賀県に自主トレに出かけた翌朝の悪夢。急いで西宮市の自宅に向かった。交通機関がまひし、大阪からひたすら歩いた。着いたのは夜中。家具や食器はほとんどが壊れていた。その後、水や電池を避難所に配った。野球どころではなかったがプロの選手である以上、野球しかなかった。コーチ時代の03、05年にリーグ制覇を味わった。しかしそれは日本一のパレードではなかった。今度は指揮官として、再び大きな夢を与えたい。

 「(長田の)商店街の会長と話をしたが、外見はハイペースで復興が進んでいる。でも、それだけじゃない。心の部分が充実して、本当の復興だと実感した。皆さんの前で、手を振って、ともに喜べる1年にしたい」

 阪神エリアを拠点にするタイガースは、熱狂的なファンに支えられている。契約最終年となる和田監督が今年にかける思いをにじませた。楽天に続く感動を-。今度は猛虎が主役になり、シンボルになる。【田口真一郎】