阪神藤浪晋太郎投手(19)が18日、早くも本格投球を披露した。鳴尾浜球場のブルペンで今年初めて捕手を座らせ、変化球も交えてピッチング練習を行った。和田豊監督(51)から最多勝の期待を受けた右腕は「19歳に最多勝を期待するのはどうかと思います」と苦笑いしながら、プレーでは猛虎投手陣をぐいぐいと引っ張る勢いを見せている。

 まるでブルペンが小さくなったようだった。凍えるような鳴尾浜球場、ウオーミングアップを終えた藤浪がマウンドに立った。197センチの長身は筋力トレでパワーアップ。その厚みを増した肉体を躍動させて、力強く投げ込んだ。打者はいないが、恐怖感すら連想させる。まるで周囲を威圧するような迫力の投球練習が繰り広げられた。

 「自分が思っているのと、実際の球との感覚のズレを確かめたかったので」

 育成選手の原口を座らせて約20球。スライダー、カット、ツーシーム、チェンジアップとこの時期から、ほぼ全ての球種を投げるのも藤浪流だ。時折、捕手が捕れないほどの変化をしてしまうボールもあったが、それも計算ずく。

 「フォーク以外は投げましたね。どういう抜け方をするか、どういう引っかかり方をするのか確かめたかったので」

 新人だった昨年は故障を避けるため、2月10日に初めて捕手を座らせての本格投球を解禁。2年目ながら、まるで何年もローテーションを守った投手のような貫禄。受けた原口は「しっかり腕は触れていた。軽く140キロは超えていたと思う。次からは防具をつけないと危ないですね」と藤浪の充実ぶりを口にした。

 前日17日には和田監督が「最多勝争いに加わる成績を残せば、優勝に近づく」と期待を口にした。これを聞くと、藤浪は苦笑いだ。

 「19歳に最多勝を期待するのはどうかと思いますね。能見さんと、メッセンジャーにお任せします」

 ただ、そんな言葉とは裏腹に、調整ぶりは自覚十分に映った。【鈴木忠平】