新たな「立身出世物語」の始まりだ。ロッテ西野勇士投手(22)に21日、リリーフ転向プランが浮上した。伊東勤監督(51)は「益田をクローザーで予定しているけど、西野が回るかもしれない。先発投手陣の状況によってはそうなる」と、昨季チームトップタイの9勝を挙げた右腕を「勝利の方程式」に組み込む可能性を示唆した。

 優勝チームには必ず存在する強力リリーフ陣をつくるためと、右肩に不安を抱える西野を思いやっての配置転換プランでもある。昨年8月に右肩痛を発症。「肩、肘に不安があるからね。彼のコンディションと相談しながら」と、伊東監督には短いイニングで負担を軽くしたい考えがある。

 西野も転向プランに異存はない。CSでも中継ぎを経験。難しさと楽しさを味わったという。「クローザーは経験ないですが、やってみたい気持ちもある。1軍のマウンドに立てるなら、先発だろうが中継ぎだろうが関係ない。チームの役に立てたらいい」と、必要とされる場所で力を尽くすつもりだ。

 背番号は29に変わった。「サンデー兆治」「サンデー晋吾」がつけていた番号。「日曜日に投げるようなら頑張りたい」と、「サンデー勇士」襲名にも前向きだ。キャンプは先発調整で入る。西武からFA移籍した涌井秀章投手(27)の加わった先発陣の調整具合を伊東監督が判断。問題ないようならば西野のリリーフ転向にゴーサインが出される。どちらにしても重要なポジション。西野がロッテ投手陣のキーパーソンになりつつある。【竹内智信】