ベテラン捕手陣に殴り込みや!

 阪神のドラフト4位梅野隆太郎捕手(22=福岡大)の沖縄・宜野座キャンプスタートが23日、決定した。この日兵庫・西宮市内の鳴尾浜で行われた合同コーチ会議で、2月春季キャンプのメンバー振り分けが確認された。虎新人捕手が1年目から活躍となれば、69年田淵の新人王獲得が思い出される。藤井、DeNAから移籍の鶴岡らベテランに負けじと、正捕手奪取を意気込む。

 沖縄行きの喜びにひたることなく、梅野が、きっぱりとした口調でベテラン捕手陣に“挑戦状”をたたきつけた。

 「ライバルだし、自分も上がっていかないといけない立場。自分にしかないところを見つけてアピールしていきたい」

 昨年112試合出場の藤井はもちろん、DeNAから移籍の鶴岡、台頭してきた清水らがひしめく正捕手争い。安芸スタート組には日高もいる。実績十分の先輩捕手を「ライバル」と呼んだ。その激戦区に殴り込みの決意だ。「今はバッティングをやっているけれど、守備の面でも肩の良さをアピールしたい」。この日の新人合同自主トレでも、1球1球フォームを確認しながら、二塁に鋭い送球を繰り返した。大学通算28本塁打の打撃が注目されるが、肩も一級品。1年目から活躍した虎の新人捕手と言えば、69年田淵が好例。くしくも、売りは同じ強肩強打。梅野がプロで通用するかは未知数だが、気後れしたところで何も始まらない。ベテラン勢の捕手に負けじと、自らの長所を1軍首脳陣にアピールする。

 もちろん、「リードだったり、技術的な面で学ぶことが多い。プロのキャッチャーとして勉強したい」とも話した。捕手にとって最も大切な「経験」。そこが足りないと自覚するからこそ、教えを請うが、それだけでは終わらない。正々堂々と正捕手争いに割って入るつもりだ。

 梅野について、和田監督も「やっていけるとの判断のもと、1度は見てみたい」と期待を込めた。同時に「ベテランも危機感を持ってやってくれると思うので、高いレベルでの競争が始まると思う。(9人いる捕手の中から)中心になる捕手が抜け出してくれると期待しています」。相乗効果の核になってくれる逸材とにらんでいるに違いない。

 「自分は若いので目立っていかないといけない立場。チームになじむためにも元気を出していきたい」と梅野。正捕手奪取の大きな目標へ、捕手最年少の元気印が、最後尾から巻きあげる意気込みだ。【松本航】