掛布棒で朝からフレフレ、打て打て!

 阪神の安芸組キャンプでアーリーワークが導入されることが24日までに正式に決まった。若手の2軍選手主体のメンバーが、高知・安芸市内の宿舎で午前6時半からスポンジを用いたティー打撃やスイングなどを実施。早朝の打撃練習は阪神では異例の試みだ。

 西武や巨人など常勝チームが採り入れる練習法を行う。起きてから時間がたっておらず、ウオーミングアップとしての目的が色濃いが、少しでもスイング量を増やす意図もある。昨年11月に平田2軍監督が発案。新任の掛布DCも賛成し「落合中日も数多く球を打たせて、数多く球を捕るという単純なことを言っていた。大切なのはその数です。打たないと『打つこと』を覚えない」と話していた。

 掛布DCはアーリーワークに備え、バットより短いポール状の棒を用意。スイングの軸を意識させるための練習器具で、密度の濃い練習になりそうだ。あるコーチは「いままでやっていなかった。初めての試みじゃないか」と話した。

 この日、鳴尾浜での新人合同自主トレで汗を流したドラフト2位の横田慎太郎外野手(18=鹿児島実)も掛布DCの指導を心待ち。「高校とプロは打撃が全然違う。高校からプロに入って、どういう取り組みをすればいいか聞きたい」。掛布DCも高卒でプロ入りし、1年目から1軍で活躍。「僕も1年目は甲子園に居残り。(1軍キャンプ地の)安芸に行けなかった。10人で1カ月練習した」とも話す。誰しも下克上のチャンスがある。掛布DCは進むべき道の指南役になる。【酒井俊作】