強虎になれ!

 阪神和田豊監督(51)が勝負の2014年シーズンへゲキを飛ばした。今日1日のキャンプインを前に、阪神は沖縄・宜野座と高知・安芸でミーティングを実施。1軍首脳陣のいる沖縄組は読谷村の宿舎で和田監督が「土台と基本」をテーマに掲げた。メジャー球団の多くが採用するトレーニングマシンの導入も判明。失速、故障に泣いた昨季を反省し、体力モリモリの虎が9年ぶりリーグ優勝へ最後まで走り抜ける。

 反省のオフは終わった。半袖のナインがミーティングルームにそろった。暑い夕暮れ、虎将のハートはもっと熱い。勝負の3年目。5位から2位、ジャンプアップする先はもう1つしかない。勝負師として、強さを追求する1年にする。

 和田監督

 今年のテーマは原点回帰。もう1回土台、基本をしっかりさせる。心技体、とことんやろうと。昨季のことはしっかり反省して、まっさらな気持ちで原点に戻って。しっかり強くして、その先に進もうということ。選手もコーチもお互い妥協しないでね。

 ちょうど1年前、ナインに「3C」を訴えた。チェンジ(変化)、チャンス(好機)、チャレンジ(挑戦)で、チャンピオン(王者)を奪う気合だった。意気込み通りに健闘したが、終盤にまさかの失速。巨人の背中が遠くなる尻切れ感にAクラスへの満足感などなかった。「1年間戦える心身のスタミナを」と改革に乗り出した。

 強い肉体を持つ虎戦士を育成する。今オフには最新鋭マシン、カイザー社の「ファンクショナルトレーナー」を約150万円で購入した。マリナーズなどメジャー30球団中28球団が導入する大リーグ式マシン。空気圧の調整で多機能に鍛えられる優れもので、土屋トレーナーは「力×スピードがパワーになる。今までにないマシンです」と太鼓判を押す。従来の重量だけでなく、速さを加えた数値が得られ、投手の肩など重要ポイントを効果的に鍛えることが可能になる。屈強なメジャー戦士のように、タテジマ軍団はシーズン終盤まで無尽蔵のスタミナで戦う。

 和田監督

 長丁場だし、基本の反復練習しかない。限界の手前までやって努力の器、能力の伸びる域を伸ばしていかないと。結論、チーム力で戦うということ。個性や持ち味を生かしながら、その上で強敵を倒そうと。倒さなきゃいけない相手がいるからね。

 イメージしたのは3月28日、敵地で開幕戦を戦う宿敵巨人だった。優勝しかない契約ラストイヤー。背水の覚悟で若手の底上げを狙い、サバイバルへ鬼になる。単調な基本練習は、きっと実を結ぶ。9年ぶりのリーグ優勝そして29年ぶりの日本一へ、和田阪神の戦いが南の島から始まった。【近間康隆】