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 広島ドラフト3位田中広輔内野手(24=JR東日本)が、21日から始まる沖縄キャンプ1軍メンバーに抜てきされた。第3クールが終了した13日、野村監督が「田中も連れて行きます」と明かした。1位大瀬良大地(22=九州共立大)ら新人3投手とともに、即戦力と期待される野手が開幕1軍に前進した。

 社会人NO・1野手と呼ばれた新人がまた1歩、開幕1軍に近づいた。練習後、野村監督は「沖縄には一岡が行きますし、田中も連れて行きます」と、巨人から獲得した右腕とドラフト3位の2人の名前を挙げた。天福球場をぬらす冷たい雨とは対照的な熱い期待が口調にみなぎっていた。

 田中は日南の1軍キャンプでも攻守で結果を積み重ね、三塁のレギュラー争いにも名乗りをあげている。7日のシート打撃で今村から右中間最深部を破る三塁打を放ち、一岡から右前打。ミート力と脚力を披露した。9日の初紅白戦で2打数1安打、12日は3打数1安打を記録し、守備でも遊撃、三塁をこなした。実戦での動きを見守った阪神御子柴スコアラーは「彼は自分のやるべきことを、よく理解している」と、走攻守の能力を評価した。

 田中は「守りは少しはできるかなと感じる部分もあった。対外試合で感じる部分もあるでしょうから、そういうことを経験したい。でも打つ方はまだまだ足りないと感じています」と明かした。キャンプ初日に新井打撃コーチから指摘され、インステップをスクエアに改良。「ボールが見やすくなって、内のボールに素直にバットを出せるようになった」と成果を得た。

 心に抱く夢がある。将来「3割30本30盗塁」を達成できる選手になること。そのために今、絶対にやらないと決めているのは「走り打ちはしない。しっかり打ってから走る」こと。日々のアピールを重ねながら、先の目標も追いかける。

 大瀬良やドラフト2位九里亜蓮(22=亜大)、4位西原圭大(25=ニチダイ)ら新人3人の沖縄同行も決定的。対外試合7試合を含み、開幕1軍メンバーを見極める沖縄キャンプで、田中が今年のカープに不可欠の戦力になる。【堀まどか】