阪神鳥谷敬内野手(32)が15日、初実戦で14年1号をぶちかました。宜野座での紅白戦に先発出場。松田の直球を右翼スタンドへたたき込んだ。今季、長打力アップを狙う鳥谷は、掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=58)、OB金本知憲氏(45=野球評論家)から本塁打量産のアドバイスを受けたばかり。進化への1歩を踏み出した鳥谷に、掛布DCは「トリプルスリー」への挑戦を課した。
力強い打球が宜野座の空へと伸びた。紅白戦の最終6回、紅組の3番鳥谷が豪腕セットアッパー松田の速球を振り抜いた。きれいな軸回転で打ち返した打球は、右翼芝生席の最深部へ着弾した。初実戦での“今季1号”。だが、今年はそれ以上の意味が含まれている。
鳥谷
意識している場所を少し変えてはいますけど、どうってことはないです。1回打ったぐらいでどうこうというのはないです。
本人は冷静に話したが、新たな挑戦は2日前、雨音が聞こえる宜野座ドームの中で始まった。掛布DCとOB金本氏がそろって、鳥谷に打撃指導。掛布DCは「トップをつくる時に左の軸足が内側に入ってしまう。力はカネに負けないのに本塁打が少ない。『鳥谷の阪神』として優勝しないといけない時期だから」と説明しており、狙いはホームラン量産だった。鳥谷のこの日の打席では軸となる左足の膝は内側に入らず、どっしりとした重心で軸回転していた。虎を代表する両OBの指摘を、さっそく実行したのだ。
1発という満点回答を受け取った掛布DCも、手ごたえを感じたようだ。
掛布DC
本人は「違和感はない」と言っていた。しばらく続けるんじゃないか。金本との合作だけど、本人も実績のある選手だからね。3、3、3くらいやる気持ちでやってほしいし、それにトライするんじゃないの。
球界を代表する遊撃手として、阪神の中軸を担う好打者として、鳥谷は実績を積み上げてきた。ただ、掛布DCはさらなる高みを目指す旅へと誘った。鳥谷進化の目標を、打率3割、30本塁打、30盗塁のトリプルスリーに定めた。
鳥谷
マイナスということはないので、いろいろやってみて、シーズンに入ってどうかな、ということですね。
最後に鳥谷は、そう話した。勝負の厳しさを知る男が1本のサク越えで浮かれるはずもない。慎重に、進化の第1歩を踏み出した。【鈴木忠平】



