ヤクルトの「ライアン」小川泰弘投手(23)が、初実戦でエースの風格を漂わせた。19日、中日との練習試合(北谷)で先発し、2回を1安打無失点に抑えた。「初実戦で先発だったので、まずはゼロに抑えることを目標に投げた」と納得の表情を見せた。

 小川のすごさは“抑える”ことだけではなかった。オフに学んだレッドソックス上原のスプリットを同一リーグ相手にも惜しみなく投げた。空振りは奪えなかったが「ボール(ゾーン)からボールに落ちたので打者が反応しなかった」と実感。対外試合だからこそ得られる課題をつかんだ。

 捕手にも気を配った。西田には最後の1球だけ首を振り、内角直球で右飛に仕留めた。「内角にしっかり投げて打者の反応を見たかった」のに加えて「外角一辺倒だと苦しい投球になる」という思いがあった。昨季16勝中14勝でコンビを組んだ中村は右肘痛で、開幕は微妙な状況。シーズンを見据えて、最後の首振りで若い西田に「内角の大切さ」を伝え、「学ぶことがありました」とうならせた。

 次回登板は26日の西武戦(宮崎)の予定だ。「まだ6、7割。ミスがないように練習したい」。開幕投手の最有力候補らしく、浮かれずに締めた。【浜本卓也】