スピードは本物。日本ハムのドラフト3位岡大海内野手(22=明大)が19日、2軍キャンプの沖縄・国頭で100メートル走を敢行。手動計測ながら11秒1のタイムをたたき出した。快足ルーキーは、今日20日のロッテとの練習試合(名護)でも1軍に再招集され、先発での抜てきが濃厚。開幕1軍の可能性もふくらんできた。

 ユニホーム姿にランニング用シューズでも、速い。くにがみ球場横の陸上競技場。小雨が降る悪コンディションだが、やや追い風の好条件。こっそりストップウオッチで計っていた紺田2軍外野守備走塁コーチが仰天した。「めっちゃ速い!」。手動計測とはいえ、100メートル11秒1が刻まれた。岡の身体能力の一端が証明された。

 現役時代のイベントで「快足日本一」に輝いた経歴を持つ紺田コーチも舌を巻くスピード。単純比較なら、福島千里(北海道ハイテクAC)の女子日本記録11秒21を上回る。岡によれば100メートル走を測定したのは小学生以来という。「最後の1本で力が入っていたのかもしれません」。快記録もサラリと受け流した。

 球界では、巨人大累が50メートル5秒8で「犬より速い」と言われ注目された。岡も非公式ながら5秒7の俊足。実戦では右翼を任され、16日の紅白戦では盗塁を決め、18日の韓国・KIA戦との練習試合では、スライディングキャッチと、自慢の足で存在感を見せた。

 栗山監督からも「技術的なことはともかく、身体能力が高くバットを振れる力がある」と評価されている。今日20日のロッテとの練習試合で、2軍から呼ばれ、再度1軍の実戦出場機会を得た。21日の1、2軍キャンプメンバー入れ替えで、昇格することも濃厚。新人では初昇格の抜てきだ。混沌とする外野レギュラー争いへ「必死にやるだけです」。快足を飛ばし、開幕1軍へ向けても“スピード出世”を狙う。【田中彩友美】