もんもんとしていた右腕に、もんもん指令が下りた。楽天星野仙一監督(67)が26日、7年目の菊池保則投手(24)を徹底指導した。韓国・斗山戦(清武)が雨天中止となると、ブルペン入りした菊池にロックオン。マウンドの後ろに仁王立ちした。「ワンバウンドしてもいいぐらいの意識で低めに投げろ!」。「構えたミットから曲げるつもりで!!」。身ぶり手ぶりを交え、指示を飛ばした。

 前日25日の西武戦で、菊池は1回2安打1四球2失点。球が抜ける悪い癖が出た。球威は認める星野監督だけに、直接指導に動いた。すると、抜け球は影を潜め、低めにビシビシ。40分で60球。菊池の体からは、もうもうと湯気が立った。

 これに、星野監督も満足げだ。「フォームじゃない。意識だよ」と漫然と投げるのではなく、球筋や打者の傾向を考えることが大事と説いた。さらに、自らの鋭い視線に効果ありと「試合でも俺がマウンドの後ろに立つぞ。いや、背中に俺の入れ墨をさせるか」とニヤリ。菊池は「腕を前で振るよう意識しました。(入れ墨は)背中だったら、見えない。帽子のつばの裏に監督の顔を書きます」と前日の浮かない顔が一転、笑顔だった。「何年も同じことを言われている。そろそろ結果を出さないと」。もんもんとした日々とは、もうお別れだ。【古川真弥】