仙台育英高(宮城)からソフトバンク4位で入団した上林誠知内野手(18)が2月28日、卒業の日を迎えた。前日にキャンプ地宮崎から戻ったばかりの上林は「(卒業の)実感がわかない」としながら「ここは自分を一番変えてくれた場所。支えてくれた佐々木監督やみんなに感謝したい」と3年間の思い出をかみしめた。

 ここぞの場面で打ちまくった「もってる男」も、高校最後の打席は「もって」なかった。式の後、野球部3年生37人全員がグラウンドに集合。制服姿で1人ずつ卒業記念バッティングを行った。もちろん大トリは上林。「打ってやるぞ」とばかりに2年生エース梅津晃大にいい球を要求するも、左方向に打ち上げてファウル。特別にもう1球チャンスが与えられたが、それも同じく右方向にファウル。「いやーだめですね。狙いすぎました。気持ちはスタンドに行ってたんですが…」と笑った。

 高校時代は中堅を守ったが、現在春季キャンプで慣れない三塁手の練習を重ねる。打撃に関しても内川ら一線で活躍する選手と「レベルの差は感じる」と話すが「今の力を受け止めパワーアップする」と気後れはしない。「1、2年でウエスタンで首位打者。3年目で試合に出てブレークしたい」と具体的な目標を掲げる上林。仲間と思いっきりはしゃぎ終えると、急いで宮崎へと戻っていった。【高場泉穂】