<オープン戦:日本ハム4-6巨人>◇5日◇札幌ドーム

 足踏みも、復活への一里塚。右肩関節唇損傷からの復活を期す日本ハム斎藤佑樹投手(25)が、オープン戦初登板した。先発し4回5安打3失点で黒星がついたが、今季実戦最多の55球を投げ、「修正点が見つかって良かった」と、前向きに受け止めた。目指している2年ぶりの開幕ローテーション入りへ、着々と歩を進める。

 斎藤が冷静に自己分析した。本拠地での“今季初登板”は4回5安打3失点。開幕ローテーション入りのアピールは「トータル的に3点取られたので悔しい。ちょっと足踏みという感じ」。結果は不満でも、課題が出たことに納得した。「今までが良すぎた。今日は修正点が見つかって良かった」。真っ先に挙げたのが、威力を取り戻しつつある直球の使い方だった。

 1回先頭の巨人坂本に直球をとらえられた。外角を狙ったが、やや中に入った。「真っすぐのコントロールが良くなかった」。弱気になり、3回までカットボールやシュートを多投。変化球とのコンビネーションを使わずに苦しんだ。4回は女房役の近藤とも相談し、真っすぐ中心に転換。制球がアバウトでも「キレと指のかかりは良かった」力強い球で3者凡退。「こういう修正方法もある。ストライクゾーンに強く投げることが今は大事」。課題とともに、生命線を再確認できたことが収穫だった。

 2月は順調だった。春季キャンプ中の実戦は4試合で計9回2失点。練習も充実していた。投球練習がない日もブルペンに入ってネットスローなどの反復練習。再び故障をせず、かつパフォーマンスが向上する体の使い方、動きを追求するため自主的に追い込んだ。やりきった1カ月があるから、悪い部分も自覚して次を見据えることが出来る。

 栗山監督も前向きに見ていた。結果は「ダメでしたね」とバッサリも、内容は「真っすぐも良かったし、キレも出ている」と評価。斎藤も「真っすぐが走りだしている。今まではツーシームとかでゴロを打たせようとしていた。その辺は実戦でどんどん経験していきたい」と、開幕までにさらなる前進の余地を見いだした。次回は12日西武戦(札幌ドーム)で先発の上沢の後に登板予定。目標の開幕ローテーション入りは近づいている。佑ちゃんのアピールは、ここからが正念場だ。【木下大輔】