<オープン戦:阪神5-6日本ハム>◇8日◇甲子園

 注目のマウンドで、宿題が見つかった。阪神藤浪晋太郎投手(19)が日本ハム大谷とプロで初めて投げ合った甲子園。オープン戦初先発は5回で9安打5失点と荒れた。最速153キロを記録するなど投球にキレはあったが、3回までに3盗塁を許すなど足で揺さぶられた。制球にも影響したようで、昨季から課題の左打者に8安打された。明白になった修正点は、開幕までの3週間で解消する。

 盛んに投じたけん制球も効果はなかった。3回先頭の中島に左安を許した。直後、陽岱鋼の初球だ。けん制をはさみ、十分に警戒しながらもモーションを完全に盗まれ、二盗を許した。陽岱鋼は空振り三振に切ったが、続く杉谷に左前適時打。その杉谷には3度けん制しながら、次打者の2球目に走られた。

 順風満帆だった2年目シーズンに、思わぬ課題が見つかった。3回までに4度走られ、3盗塁。リズムを崩されたのか、5回で9安打5失点だ。積極的に仕掛ける日本ハムの攻めで、突如不安材料があらわになる。それでも藤浪は前向きにとらえた。

 「どんどん走ってくれというくらいの気持ちでした。オープン戦なので。シーズンだったら大問題ですけど。逆にこの時期にやってもらってありがたい。収穫ですね。クセなのかタイミングなのか、しっかり修正したい」

 仕掛けられたことが、左打者への制球を乱す一因にもなった。走者に気を取られたかのように、内角を狙った投球が真ん中に集まった。9安打のうち8安打を左打者に浴び「内角に投げきれなかった。フォームのばらつきもそうですけど。悪いなりの投球をしないと」と課題が膨らんだ。

 好投手を足で崩しにかかるのは常とう手段だ。視察した巨人村田スコアラーは最速153キロの直球に「この時期にあれだけの球が投げられるのはすごい」と目を見張りつつも「好投手には、まともに打ちにいくだけではだめなので、チャンスがあれば揺さぶっていきたいとは考えます」と足攻めを視野に入れた。

 3回に3人目となる西川の盗塁スタートは投球をウエストし、二塁タッチアウトに沈めた。4回以降は微修正し、走者に仕掛けられることはなくなった。中西投手コーチは内容を「企業秘密」とし「修正していかなあかんやろ。あれだけ走られたらな」と開幕までの完全消化を明言した。プロ1年目で10勝した藤浪の武器には、抜群の修正能力もある。「去年できなかったわけではないので」ときっぱり。タダで起き上がるつもりはない。【池本泰尚】

 ▼昨季藤浪の登板時に阪神が許した盗塁は1試合2個が最多。3月31日ヤクルト戦で上田とミレッジ。6月2日ソフトバンク戦で長谷川と松田が重盗を決めた2度だけ。藤浪は1試合で3盗塁されたことはなかった。