<オープン戦:楽天1-0中日>◇8日◇倉敷

 音を聞き分け、センターを奪い返す。楽天聖沢諒外野手(28)が、先発出場。初回には好守で失点を防ぎ、5回には犠飛で決勝点を挙げるなど活躍した。1回1死一、二塁。打者平田の打った右中間への大きな飛球を背走に近い形で全速力で追った。落下点に入ると、しっかりと捕球。飛び出した走者が、先行走者を追い越してアウトになるほどあわてる好捕で一気に2つのアウトを取った。

 定位置のセンターを奪われた悔しさから生まれたプレーだった。「センターは投手の球筋が見えるから打球の予想がしやすい。でもレフトを守ると、1歩目の判断がしにくい。バックにいきすぎてポトリと落ちたり。だから音の重要性を覚えました」と話す。打球音を聞き分け、ノビを判断する。芯でとらえたのか、詰まったのか。1歩目の判断を素早くするために耳を澄ませる重要性を認識した。

 昨季はパ・リーグ新記録の659守備機会連続無失策を樹立するなど守備の名手。しかし岡島や榎本など若手の台頭もあり、外野の競争は激しい。「オープン戦で試しながら学んでいきたい」と磨きをかけた守備で、定位置を譲るつもりはない。【島根純】