<オープン戦:DeNA3-3ソフトバンク>◇9日◇横浜

 師匠の前でアピール弾だ!

 DeNA白崎浩之内野手(23)の打球が高く舞い上がった瞬間、三塁側ベンチ内でソフトバンク内川が「オッ」と感心する表情を見せていた。6回2死一、二塁から2試合連続となる先制3ランを左翼席上段まで運んだ。内川とは1月7日から23日まで宮崎・日向で合同自主トレを行い、いわば「先生」だ。駒大時代から参考にしてきた尊敬する選手で、ベース板までボールを呼び込むことを学んだ。

 ドラフト1位で入団した昨年は、即戦力としての期待に応えることができなかった。キャンプで故障し出遅れたこともあり、47試合の出場にとどまり、スタメンはわずか9試合。オリックスからバルディリスの移籍が決まった時も、まずは自分を反省した。「僕がしっかりやっていれば取らなかったと思う。相手との戦いではなく自分がしっかりすることが大事」と考えた。その実践が内川塾でもあった。「見ていると勉強になる」と、この日の試合前も打撃練習を見詰めていた。今ではテークバックやタイミングの取り方が似てきたほどだ。

 中畑監督も成長には目を細めた。「かっこよかった。(ショートの)レギュラーは安定感では山崎が1歩リードしているけど、安心感を与えないホームランだった。競争意識を与えたね」。CS進出を目指す上で必要なのが、チーム内競争だからだ。白崎も「打ってもエラーをしてはスタメンはとれない。これからもしっかりアピールを続けたい」と気持ちを引き締めた。【矢後洋一】