今度こそホント!?

 右膝痛で別調整中の阪神の新外国人マウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ3A)が、順調なら関東遠征中の17日から本隊合流し、18日の練習試合ヤクルト戦(神宮)で1軍デビューするプランが判明した。10日は鳴尾浜で実戦形式の打撃を行い、29スイングで2本の柵越え。最短で15日の教育リーグ中日戦(ナゴヤ)から実戦出場する。

 どこまでいっても「?」マークがつきまとうが、ようやく新助っ人ゴメスの1軍合流プランが固まった。この日は小雪が舞う鳴尾浜で実戦に近い打撃練習を実施。育成左腕の島本と向き合い、一瞬だけ大砲の片りんを見せた。10スイング目だ。外角直球をブルンと強振すると、打球は瞬く間にバックスクリーン左へ。最深部の防球ネットに突き刺した。構えてからフォロースルーまで、パワフルな打撃動作をビシッと決めた。

 全29スイングで柵越えは2本。初スイングでバットを折られ、手がしびれるしぐさを見せた。カーブには空振りした。練習を見守ったオマリー打撃コーチ補佐が「タイミング、マダマダ」と指摘するように、これから実戦勘を養うのが実情だ。それでも「メイビー(多分)15日ナゴヤ。17日カラ、トウキョウガアル」と続ける。巨人戦後、伊勢で報告を受けた和田監督も「いまの最短の予定というか、そういう計画は立てている」と青写真を明かした。

 15、16日の教育リーグ中日戦(ナゴヤ)で来日初実戦をこなし、17日から東京で1軍本隊に合流。18日の練習試合ヤクルト戦(神宮)で1軍デビューする流れだ。急仕上げの感は否めないが、待てない事情もある。開幕まで3週間を切り、チームはオープン戦いまだ勝ちなく引き分け発進から7連敗。主軸に想定するゴメスが参戦せず、チーム戦略は宙に浮いたままなのだ。

 これで「ゴメス狂騒曲」も一件落着?

 2月のキャンプインも遅れ、初実戦予定だった同23日の中日戦は右足の痛みを訴えて急きょ回避。今月9日に屋外フリー打撃を再開したばかりだ。常夏のドミニカ共和国生まれで寒さに震えた。打撃中、何度も息を両手に吹きかけるほどの悪天候でもゴメスは「あとはタイミング。今日の打撃の感触は良かったよ。ダイジョウブ!」と前を向く。ダッシュや一塁守備練習も行い、前進しているのは確かなようだ。

 まだ、本当の姿は分からない。だが、打撃ケージ裏で見守った掛布GM付育成&打撃コーディネーターは「実戦で見たいと思わせる打撃をしている。パワーはある」と話す。中村GMも「思ったより強く振れていた」と胸をなでおろした。濃い霧がかかったままのゴメスの周囲が、少しだけ晴れた。【酒井俊作】<ゴメスの経過>

 ◆2月4日

 来日が当初の6日から遅れ、合流日は未定と球団が発表。母国ドミニカ共和国で1月27日(現地時間)に生まれた第1子(長女)が体調不良で入院したため。

 ◆同10日

 4日遅れで来日。

 ◆同11日

 室内練習場で始動。40スイングで本塁打級の打球19本。

 ◆同19日

 体調不良を訴えて練習を回避し、宿舎で休養。

 ◆同22日

 シート打撃に飛び入り参加し4打席。

 ◆同23日

 オープン戦中日戦でチームに同行も、足の張りで試合直前に離脱。

 ◆同24日

 筋トレのみ行い、練習早退。

 ◆同28日

 甲子園で別メニュー練習を開始。

 ◆3月2日

 甲子園室内でフリー打撃再開。

 ◆同5日

 大阪府内の病院で右足の検査を受け、異常なしと診断された。

 ◆同6日

 初めて甲子園でランニング。

 ◆同7日

 鳴尾浜で練習。屋外でキャッチボールなどを行い、室内で打撃。

 ◆同9日

 屋外フリー打撃を再開。甲子園でファンにあいさつ。