<オープン戦:巨人7-6阪神>◇10日◇伊勢

 負けても収穫ありなら、ええじゃないか!?

 阪神はドラフト5位山本翔也投手(25=王子)が8回、巨人小林に逆転満塁本塁打を浴び、開幕からのオープン戦連敗は7に伸びた。宿敵に2連敗は悔しいが、次につながる収穫もあった。開幕1軍を狙う緒方凌介外野手(23)ら若虎がくらいつき、6回一挙4点を奪うアピール合戦。オープン戦初の2桁14安打を放ち、トンネル脱出は近い?

 粉雪舞い、あられが降って中断した激動の一戦で、最後は「お伊勢さん」もビックリの逆転グランドスラムを食らった。打った宿敵のドラ1捕手が喜べば、投げたルーキー山本はうつむく。「こういう結果は偶然じゃないので」。即戦力の呼び声高い左腕は、涙目でスコアボードを見つめていた。

 白星が遠い。引き分けた2月22日広島戦から、これでオープン戦8試合で勝ちがない。12球団唯一の未勝利で、開幕から7連敗。「ペナントじゃなくて良かった」と思う懐の深さもほしいが、さすがにそうもいかない。虎党の激励の声を聞きながら、和田監督の表情も渋いままだった。

 和田監督

 もちろん負けてもいいと思ってやっているメンバーもいないし、こういう時期でも負けたら悔しい。そういうものを我々も選手も出さないと、ファンに対しても失礼。

 光は差した。湿りっぱなしだった打線は、6回まで毎回の13安打で6得点。主将鳥谷がようやくオープン戦初安打を放ち、元気な新井も2安打、何より若手の心意気が伝わった。「次につながる。1軍に生き残るには練習しかない」と意気込む緒方は3安打1盗塁。6回には大和、代打俊介、今成の3連続適時打などで4点を奪い逆転した。代打起用の新人梅野は中前へはじき返し、1番上本は2安打2四球で出塁した。

 和田監督

 やっとつながりだした。若い選手が食らい付いて結果を出したから、あとは主力待ちやね。そろそろスイッチを入れ直して上げていかないと。若手が結果を出していけば、ポジションや1軍枠の競争は続いていくから。

 背番号19の虎将には手応えありの黒星だった。天国の西村さんは残念だったかもしれないが、決して気候のように「お寒い」試合ではなかった。和田監督は「タイガースの歴史を築いてくれた方々がいる。それを汚さないように、恥じないように」と心を新たにした。オープン戦残り9試合。2連敗した宿敵は、上り調子で迎えるはずの開幕でたたけば、ええじゃないか。【近間康隆】