<オープン戦:阪神3-2DeNA>◇11日◇甲子園

 阪神のドラフト4位梅野隆太郎捕手(22=福岡大)の開幕1軍が当確となった。DeNAとのオープン戦に先発出場すると、先発の柱であるメッセンジャーを4回2安打無失点と好リード。強気で、冷静で、度胸満点のルーキー捕手は昨季チーム最多勝右腕から「レギュラー捕手になって」と“ご指名”まで受けた。打撃でも二塁打を放つなど快進撃を続ける梅野は正捕手の座さえ、にらんでいる。

 大黒柱メッセンジャーの開幕へ向けた重要な登板で、女房役を任されたのは梅野だった。立ち上がりからDeNA打線にストレート勝負を挑んだ。追い込んでからは首を振られるケースも目立ったが、気後れすることなく次々とサインを繰り出した。次第にテンポが上がり、速球で追い込んでフォークで三振というリズムができていった。

 4回をわずか2安打で無失点。完璧な投球を終えたメッセンジャーが“相棒”について声を弾ませた。

 メッセンジャー

 今日一番の収穫は梅野と息が合ってきたこと。どんどん組めば、息が合ってくる。キャッチングもうまいし、肩も強い。打撃もいいし、気に入ってます。

 強気で、それでいて、冷静だった。4回、2死から2四球を出すとマウンドへ。審判の判定にいら立ったような空気を察して、間合いを取った。メッセンジャーは気の利いた新人捕手に対し、ポンとグラブで肩をたたいて笑顔を見せた。

 梅野

 (メッセンジャーからは)好きなようにしていいと言ってもらっていた。テンポとか、この打者には何で勝負したいとか、前回はそういうことを考えながらだったけど、1回目よりはできたかなと思います。

 メッセンジャーとバッテリーを組むのは2度目だった。初めて組んだ5日ソフトバンク戦は3回1失点。実はその後、この日の登板に向けてのブルペン調整期間、メッセンジャーは捕手に梅野を指名したという。「期待しているよ。レギュラー捕手になってね」とのメッセージを託して-。

 新人への配慮かもしれないが、昨季チーム最多勝右腕からの“ご指名”は梅野の実力を証明するものだ。3回には左翼線へ二塁打を放つなど、バットでもアピール度は満点。

 和田監督

 メッセとテンポが合うというかね。終盤の詰めに苦労していたみたいだったけど、これからも数多く受けさせていけば。

 指揮官も認める2人の相性の良さ。9回は交代したが、指揮官は同一リーグ相手の大黒柱が投げる試合をほぼ任せた。もはや、開幕は当確。期待はそのさらに上をいっているようだ。【鈴木忠平】