弱虎にカ~ツ!

 阪神坂井信也オーナー(66=電鉄本社会長)が、エンジンのかからないチームにほえた。12日の広島戦後、大阪市内のホテルで阪神電鉄主催の激励会が開かれた。ナイン、フロントが勢ぞろいの中、オープン戦1勝8敗1分けで最下位に沈む現状に壇上から「喝」。開幕まであと2週間。総帥の言葉を見返すように、ホンマ頼んまっせ!

 まさに「激励」の会だった。開幕前最後の甲子園は、昨秋にドラフト1位指名して抽選を外した大瀬良を崩せなかった。オープン戦9戦目の初勝利から一夜明けても快方に向かわない。ふがいない戦いぶりにネット裏から光る目あり-。「どこかで言わなアカンと思っていた」という総帥のマグマは沸点に達した。

 坂井オーナー

 今日もオープン戦を見させていただきましたが、非常に危機感を持っております。非常に心配を募らせております。オープン戦は勝敗を度外視するのは理解しておりますが、それにしても各チームに比べて、かなり調整が遅れているのではないか。

 熱い思いは、いきなり爆発した。開会直後に壇上に立つと、マイクを構えながら温厚な笑み。でも、出てくる言葉は正反対だった。止まらないゲキと異様な雰囲気に、円卓を囲んでいた呉昇桓もゴメスも何かを悟ったであろう。チームを愛するからこそ、今の弱虎を憂うしかなかった。

 坂井オーナー

 去年、非常に悔しい思いをした課題。取られたらいかんところで点を取られる。取るべきところで点を取れない。非常に去年の雰囲気を払拭(ふっしょく)しきれていないところに危機感を感じております。去年の2位を忘れなければ、本当に今シーズンを戦っていけないんではないだろうかという危機感を持っております。

 会場はピリリと引き締まった。楽しく杯を交わすようなムードは消えた。オープン戦だから、の気持ちでは必ず失敗する。おいしい酒は秋に飲めばいいのだ。大の野球好きなトップは、嫌われ者になる覚悟。閉会後にこう付け加えた。

 「厳しいかな?

 普通のことを言うただけやと思うけど。負けが込んでるけど負け方もある。昨シーズンを思い起こすようなね。ゴメス選手が出遅れたり、雰囲気はスムーズにスタートできていない部分があるからね。いらんこと言うたな、となったらいいんだけど」

 待つのは9年ぶりのリーグ制覇、そして29年ぶりとなる日本一だ。お客さまへ「夢」を運ぶのが猛虎戦士の使命ならば、突き刺さった言葉を胸にオーナーを謝らせればいい。それが最大の恩返しだ。【近間康隆】