<オープン戦:ソフトバンク4-3中日>◇12日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク今宮健太内野手(22)が犠打職人から最強2番へと大変身だ。中日戦で決勝2ランを含めて3打数3安打3打点。オープン戦3位の打率4割1分7厘、同2位の出塁率4割8分9厘と6盗塁をマークと、開幕に向けて上昇カーブを描く。昨年リーグ新の62犠打を記録した男が攻撃力を増してきた。チームは6連勝(1分け挟む)となった。

 狙い目は整理されていた。5回1死三塁。2ボールから外角高めの直球を右翼ポール際へファウルにすると「そろそろ1球くらい内角に来るかな」と予測。内角低めの“好物ゾーン”に直球が飛び込む。「あそこだけは本塁打にできる」。左肩の開きは自然と抑えられ、自然な軸回転で左翼席まで届けた。昨年143試合に出た経験がある。「配球を感じて入れている」から今年の今宮は強い。

 決勝2ラン前には3回1死三塁で先制の犠牲フライ。2度とも先頭の9番本多が二塁打で出塁し、1番中村が犠打をつくった。「ポンちゃん(本多)(中村)晃、今宮。3人がいいんじゃない。確実に点を取っていってね」。秋山監督がうなずくのも当然だろう。李大浩を内川と長谷川が挟む。後ろに松田、柳田が控え、9番からの得点パターンも加わわり、鬼に金棒を持たせるようなものだ。

 昨年62犠打でリーグ記録を塗り替えたバント職人の成長が大きい。「秋のキャンプから形にこだわり、できつつある。自分には癖がある。左脇が空いたり、重心が前に行ったり、体が伸び上がるとか。今日はそういうのが一切なかった」。練習が結果を伴うから自信は深まる。7回は先頭打者として中前打で出塁し、二盗。「理想的な打撃。気持ち良かった」。本塁後に大振りして調子を落とした昨年とはお別れした。

 3打数3安打3打点。つなぎ役からポイントゲッターへ変身した。打率4割1分7厘は“チーム首位打者”。目標の2割8分に願掛けた初詣のさい銭280円では、神様から追加徴収が来そう。11日ヤクルト戦でも、11球目に決勝の押し出し四球を選ぶなど出塁率は4割8分9厘、6盗塁。これらもチームトップ。かつてメジャーでは「2番打者最強説」が叫ばれた。それでも今宮は「犠牲になる時は犠牲になってやりたい」。こんな謙虚な姿勢も相手には脅威だ。【押谷謙爾】