<オープン戦:日本ハム8-0西武>◇12日◇札幌ドーム
開幕ローテ入りが確実な日本ハム大谷翔平投手(19)が、バットマンとしても戦力であることを強く印象づけた。今月5日の巨人戦以来、オープン戦わずか3試合目の野手出場。だが2安打3打点とクリーンアップとしての役割を全うした。「最低限の仕事ができればいいかなと思います」。あらためて「打者・大谷」のポテンシャルの高さを示した。
1週間のブランクは関係なかった。1回無死二塁の第1打席。気後れすることなく、初球からフルスイングした。打球は中堅右を破り、フェンスまで到達。「詰まって打球が遅かったので、いけるかなと思った」。迷わず三塁を狙い、足から滑り込んだ。2回1死二、三塁の2打席目も、中前へ2点適時打。オープン戦はわずか14打席で6打点と勝負強さを発揮している。
前日11日は東日本大震災から3年目だった。自身に直接の被害はなかったが、当時バッテリーを組んでいた捕手の実家が津波で流された。約1カ月後、まだスポーツキャスターだった栗山監督と出会った。被災地の高校球児を追う企画でのこと、初対面の大谷はキャスター栗山氏に言った。「チームメートの家が流されたんです。でも彼は愚痴ひとつ言わない。だから僕も頑張らないといけないんです」。栗山監督は今、振り返る。「人間的な魅力とか、純粋さとか、オレがプロ野球選手に求めたいものを彼は持っていた」。この年の秋、2人の人生は再び交錯した。
被災地には、いまなお復興が進まず、苦しんでいる人たちがいる。投打で活躍するという、唯一無二の魅力を持った大谷の奮闘は、東北を、野球界を元気づける。【本間翼】



