バレ砲不発もお構いなしの「14年度版ヤクルト新打線」が完成した。阪神との練習試合(神宮)で18日、先発藤浪から5得点を奪うなど11安打10得点で快勝した。今季から昨季4番のバレンティンを3番にし、得点力アップを狙う新打線を採用。この日はバレンティンが3打数無安打でも、成功の鍵を握る4番以降が初めて機能。昨季は10勝止まりだったバレンティン無安打試合で、「バレの後ろ」が得点を重ね、開幕オーダーが固まった。
歓声のない球場に、ヤクルト打線の快音が響いた。阪神藤浪から6回までに5得点を奪っても、攻撃の手を緩めない。強風の影響もあったが4本塁打を含む11安打10得点で快勝。真中打撃コーチは「球の速い投手の直球をミスショットせずに仕留められた」と練習試合とはいえ、藤浪を攻略しての勝利に会心の表情だ。
ヤクルト今季の目玉「3番バレンティン」の新オーダーに、ようやく活路が見えた。昨季は主砲が60本塁打をマークしても、チームは借金26の最下位に沈んだ。バレンティンを生かせば得点力が上がり、上位に浮上できるはず-。「4番中心に打線を組んできた」小川監督だが「去年はバレンティンの前に走者をどう置くかを考えたが出塁率が4割5分5厘もある。あいつをどうかえすかを考えた方がいい。1打席でも多く回る方がいいしね」と、3番起用を試すことを決断した。
いち早く新打線の手応えをつかみたいにもかかわらず、この日は肝心の3番打者が強風に心を折られてブレーキに陥った。小川監督が「集中力がなかったね」と苦笑いの状態で、結果はノーヒット。昨季は主砲が無安打なら10勝しかできず“おんぶに抱っこ”状態だっただけに完敗ムードが漂ってもおかしくなかった。
だが、この日は違った。「四球されないように自分が打ってバレンティンを守る」と話す4番ミレッジが、先制ソロを放つなど2打数2安打1打点。5番川端も2打点、6番畠山は3ランと、4~6番の3人で6打点を稼いだ。シーズンに入ればバレンティンへの攻めが厳しさを増すことが予想され、バレ無安打増加の恐れもある。結果的に「バレ砲不発」の予行演習となり、新打線も機能の兆しを見せた。真中打撃コーチは「バレンティンの後が課題だった。後ろが打てば勝負してもらえるし、点の取り方は理想かな。面白い打線だと思う」とうなずいた。
とはいえ、ここまでオープン戦は1勝8敗1分け。浮かれていられる状況ではなく、小川監督は「点を取ったからいいというわけではない」と当然、辛口だった。だが開幕までの残り4試合を、新打線の中核が固まって迎えられるのは大きい。【浜本卓也】



